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COO直下|エンタープライズ顧客の意思決定・業務をAIで変える「プロダクトデリバリー責任者」とは
2026.01.22
Iwase Takeshi

株式会社Azitでエンジニアリングマネージャーをしている岩瀬です。
この記事をご覧いただきありがとうございます。現在、株式会社Azitで「プロダクトデリバリー責任者」というポジションを募集しています。
この記事は、たとえばこんな方に向けて書いています。
- エンジニアとして、顧客と直接向き合いながら課題を解決したい
- PMとして、技術を活かしながら顧客の業務変革まで踏み込みたい
- SIerやSaaSベンダーで働く中で、自分の仕事が価値を生んでいるか実感が持てない
「技術かビジネスか」の二択ではなく、両方を活かしたい。そんな方に向けて、COO直下のこのポジションについて具体的な業務内容から魅力までお伝えします。
なぜこのポジションが必要なのか
SCM領域の現状
私たちがForecastXを通じて向き合っているのは、エンタープライズ企業のSCM(サプライチェーンマネジメント)領域です。
意外に思われるかもしれませんが、日本を代表するような大企業でも、この領域の業務はExcelと属人的な運用に依存していることが少なくありません。それどころか、システム化・デジタル化以前の手作業が残っているケースすらあります。需要予測、在庫管理、発注計画といった基幹業務が、担当者個人の経験と勘に支えられているのです。
これは、私たちAzitが物流領域で顧客と向き合う中で、ずっと見てきた課題です。
現場の担当者に「なぜこの方法で運用しているのですか」と聞いても、明確な答えが返ってこないことがあります。「前任者から引き継いだやり方だから」「ずっとこれでやってきたから」。そういった答えが返ってくることも珍しくありません。
そして変化を難しくしているのは、「現状でまわっている」という事実です。大きな問題が起きていないからこそ、変える力学が働きにくい。誰も積極的に変えようとしない。この状態が、何年も続いているケースが多いのです。
従来のソリューションの限界
では、この課題を解決するにはどうすればよいのでしょうか。
SIerに依頼する場合
ゼロからシステムを開発すれば、顧客固有の課題に対応できます。しかし、費用対効果を考えると現実的ではありません。エンタープライズ企業のSCM領域をフルスクラッチで開発すると、数億円規模の開発費用がかかることも珍しくありません。「現状でまわっている」業務に対して、それだけの投資判断を下すのは難しいのです。
一般的なSaaSを導入する場合
SaaSは導入コストを抑えられますが、「導入して終わり」になりがちです。
エンタープライズ企業のSCM業務は、企業ごと、拠点ごと、商品カテゴリごとに異なります。固定化されたプロダクトをそのまま当てはめるだけでは、この多様性に対応できません。属人化した業務フローは、そのまま残り続けます。結局、表面的な対応では根本的な課題は解決しないのです。
ForecastXというプロダクト
私たちAzitが提供するForecastXは、SaaSとSIの中間に位置するSCMプラットフォームです。需給予測などの汎用的なモジュールを持ちながら、個社の状況に合わせたカスタムモデルを搭載できる設計になっています。。
ただし、プロダクトを提供するだけでは価値は届きません。「顧客ごとに異なる業務フロー、基幹システム、組織構造に合わせて、プロダクトを「使える状態」にする必要があります。この「汎用的な機能」と「顧客固有の課題」の間を繋ぐことで、はじめて価値を届けることができます。
だからこのポジションが必要
求められる能力
これを実現するには、顧客の基幹システムとForecastXを連携させるためのAPI設計やデータ変換、業務フローに合わせたシステム構築など、技術的な実装が発生します。そのため、エンジニアの技術・知識が不可欠です。同時に、顧客の懐に深く入り込み、属人化した業務の実態を理解することも必要です。
さらに、導入して終わりではありません。継続して運用を並走し、業務フローの改善まで伴走することが求められます。コスト削減効果を可視化し、実際に実現するまでが仕事です。
なぜCOO直下なのか
このポジションは、顧客の業務フローを変革し、億単位のコスト削減という財務インパクトを起こす役割です。顧客の経営層と直接やり取りしながら、導入から運用定着まで責任を持ちます。また、プロダクト・営業・データサイエンスなど社内の複数部門を横断した調整も必要です。事業運営に深く関わるポジションだからこそ、COO直下に置いています。
また、このポジションはプロダクトチームとは別に設けています。理由は2つあります。
1つ目は、役割の違いです。プロダクトチームの役割は、良いプロダクトを作ることです。一方、顧客のコスト削減を担う役割は、プロダクトという手段を使って目的を達成する仕事です。手段と目的の関係にあり、役割が異なります。
2つ目は、全体最適と個別最適の違いです。プロダクトチームは、多くの顧客に共通する価値を提供するプラットフォームを開発します。これは全体最適の仕事です。一方、このポジションは、個社固有の業務フローや基幹システムに合わせた開発・導入を行います。これは個別最適の仕事です。どちらも必要ですが、アプローチが異なるため、役割を分けています。
他の職種との違い
「エンジニアなのかコンサルなのか」「PM/PdMとは何が違うのか」という疑問があるかもしれません。
一般的なエンジニアは、プロダクト開発や機能実装が主な業務です。このポジションでは、それに加えて顧客の業務理解、導入支援、効果検証まで担います。技術力は必要ですが、それだけでは足りません。
PM/PdMは、プロダクトの企画・設計・開発管理が主な業務です。このポジションでは、プロダクトを顧客に届け、成果を実現するところまでが仕事です。プロダクトを作る側ではなく、プロダクトを使って顧客のコスト削減を実現する側です。
コンサルタントは、戦略立案や提言が主な業務です。このポジションでは、自ら手を動かして実装・実行まで担います。提言して終わりではなく、実際に結果を出すところまで責任を持ちます。
このポジションの魅力
ここまで、なぜこのポジションが必要かをお伝えしました。ここからは、働く方にとっての魅力をお伝えします。エンジニアやPMとして働く中で、こんな疑問や不安を持っていませんか?
「自分の仕事は本当に価値を生んでいるのか」
プロダクト開発や機能実装に携わっていても、それが実際にどれだけの価値を生んでいるのか、実感しにくいことがあります。ユーザーの声が届かない。売上への貢献が見えない。自分の仕事が本当に意味のあるものなのか、分からなくなる。
このポジションでは、自分の判断・設計が顧客の経営数字として返ってきます。在庫削減額、欠品率の改善、発注精度の向上。成果が数字で可視化されるため、「自分の仕事が価値を生んでいる」という実感を得られます。
「顧客の声が直接聞けない」
大きな組織では、顧客との間に営業やカスタマーサクセスが入り、エンジニアやPM/PdMが一次情報を得る機会は限られます。伝言ゲームで届く要望。本当の課題が見えないまま進む開発。そんな経験はないでしょうか。
このポジションでは、顧客の現場に入り込み、要望をダイレクトに聞くことができます。しかも、聞いて終わりではありません。業務理解から技術設計・実装・運用定着まで、最初から最後まで一貫して責任を持てます。
「導入を担当しているが、その先に関われない」
SaaSの導入支援やカスタマーサクセスと聞くと、「結局は後処理係なのでは」「プロダクト本体の開発から外れた周辺業務では」と感じる方もいるかもしれません。
このポジションでは、顧客の成果を実現するために、何をすべきかを自ら判断し、推進します。責任と権限がセットで与えられ、事業視点での意思決定に関わります。単なるサポート役ではなく、成果に責任を持つ立場です。
「技術かビジネスか、どちらかを選ばないといけないのか」
キャリアを積むにつれて、技術を極めるかビジネスサイドに移るか、選択を迫られることがあります。でも、本当は両方に関わり続けたい。エンジニアだけど顧客と話したい。ビジネスサイドだけど手を動かし続けたい。
このポジションでは、顧客の業務理解からシステム設計・実装・運用定着まで、技術とビジネスの両方に関わり続けることができます。どちらかを捨てる必要はありません。
「専門性が中途半端にならないか」
技術とビジネスの両方に関わると聞くと、「どちらも中途半端になるのでは」と不安に感じる方もいるかもしれません。
しかし、この掛け合わせ自体が専門性です。技術だけ、ビジネスだけの人材は多くいますが、両方を高いレベルで兼ね備えた人材は希少です。エンタープライズ顧客の経営課題に対して、技術で解決策を実装できる人材の市場価値は高い。このポジションでは、その経験を積むことができます。
「最新のAIツールを使いたいが、会社の制約で使えない」
生成AIを業務で活用したいのに、セキュリティやコストを理由に制限されている。そんな経験はないでしょうか。
Azitでは「AI駆動開発」を推進しています。Claude Code、GitHub Copilot、coderabbitなど、様々なAIツールを業務で活用しています。希望すれば好きなLLMやツールを会社経費で使用でき、新しいものを試すのに障壁はありません。AIを「試しに使う」レベルではなく、開発プロセスの中核に据えて実務経験を積めます。
「自分の仕事が社会に貢献している実感が持てるか」
日々の業務に追われる中で、自分の仕事が社会にどう貢献しているのか、実感しにくいことがあります。
私たちが向き合っているのは、日本の製造、商社、メーカーなどのエンタープライズ企業です。彼らのSCM業務を改善することは、最終的に私たちの生活にも繋がっています。スタートアップのスピード感を持ちながら、社会インフラに直結する仕事ができる。エンタープライズ特有の制約や難しさはありますが、だからこそ動かせたときのインパクトは大きい。
「このポジションからどんなキャリアが描けるのか」
このポジションから将来どんなキャリアが描けるのか、気になる方もいると思います。
COO直下で経営視点の業務経験を積むことで、物流・SCM領域における希少な人材として成長できます。技術とビジネスの両方を理解し、エンタープライズ顧客の経営課題を解決できる人材は、将来的にCxOやCLO(Chief Logistics Officer)といったキャリアも視野に入ります。
応募を検討している方へ
この記事を読んで少しでも興味を持っていただけたなら、嬉しく思います。
「社内にこもって開発するより、顧客と直接話したい」「マネジメント専任になるより、現場で手を動かし続けたい」「エンジニアだけど顧客と話したい」「ビジネスサイドだけど技術にも関わりたい」——そんな思いを持ちながら、今の環境ではそれが叶わないと感じている方。このポジションは、その志向を存分に発揮できる場所だと考えています。
一方で、「求められるスキルが幅広すぎて、自分には務まらないのでは」と感じた方もいるかもしれません。正直に申し上げると、今すべてのスキルが揃っている必要はありません。というより、すべてを兼ね備えた人材はいないと認識しています。私たちが求めているのは、新しい領域に対して能動的に学び、成長できる姿勢です。
顧客と直接向き合い、技術とビジネスの両方を活かしながら、自分の判断で動きたい。そんな方からのご応募をお待ちしています。
まとめ
この記事では、COO直下のこのポジションについてお伝えしました。
エンタープライズ顧客のSCM領域に深く入り込み、ForecastXを通じてコスト削減を実現する。技術とビジネスの両方を活かしながら、顧客の経営に直接貢献できる仕事です。
世の中では、このような役割を「FDE(Forward Deployed Engineer)」と呼ぶ動きがあります。AI時代において、製品を導入しただけでは価値が生まれません。顧客の業務に深く統合し、「成果」を実現する人材が求められています。FDEは、顧客の業務とプロダクトの間に入り、証明された価値を"実装された成果"に変えるエンジニアです。
Azitのこのポジションも、同じ課題認識から生まれました。