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【後編】現場のニーズに共感し課題解決を続ける。CTO十亀の履歴書

  • #Engineer

2025.02.17

Love from Azit 編集部

前編に続き、CTO十亀のインタビューをお届けします。後編では、直近を振り返りながらこれからの組織などについてお話しました。

PROFILE

株式会社Azit CTO 十亀眞怜 @Pocket7878
慶應義塾大学理工学部在学中に、吉兼・須藤と出会い、株式会社Azitを共同創業。2021年以降、CTOとしてサーバサイドの開発・技術戦略の立案ならびに実行、エンジニアの採用等を中心に担当。

ときには「現場」で課題解決も

ー CREW時代から、結構現場に行ってバグフィックスをするシーンなどを見てきました。人と会うために外に出るんじゃなくて、課題解決のために外に出るんだな、と。ここには何か理由はありますか?

現場で対応するのが一番解決法として良ければ、それがやっぱり早いですし、理想的かなとは思っています。そんなに外に出たいわけじゃないですけど(笑)それがベストだから、やろうかなっていうのはありますね。

当時の技術環境を考えると、生のエラーログみたいなものをリアルタイムでネット越しに見られるようなものはなかったので、現場に行って繋がないと何が起きてるか分からなかったというのもあります。特にライドシェアはそうで、Webサービスならサーバーのログとかがあると思うんですけど、アプリになると、やっぱり現場に行って端末で何が起きてるか、見ないといけないことも。CREWドライバーの方の横に行って、操作してもらい、ケーブルを刺して、吐き出してるアプリケーションレイヤーのログを見ないと判断できないこともあったりして。それが、Azitがまだ3〜4人ぐらいのときなので、自分でやっていましたね。

ー 事業をピボットして、物流・サプライチェーンの世界へやってきたわけですが、どのような技術的チャレンジが存在する領域なのでしょうか。
特にマーケットプレイスでは、物流システムのそれぞれのモデルや条件をどうやって上手く抽象化してまとめていくか、という所が、システム設計として一つ大きなチャレンジだと思います。

その中で、ライドシェアでもそうでしたがやっぱり物流も、リアルの世界で起きていることをデジタルで表現して拾っていくプロダクトになるので、現場で起きていることと、デジタルでどう表現してるかっていう所の繋ぎ目をシステムでうまく表現できているかっていうのが大事な所です。

物流やサプライチェーン領域って、既存の領域として複雑なオペレーションや、特例のオペレーションみたいなのがよくあるので、ある意味エンジニアが思い込みで勝手に仕様を狭めちゃったりとかしてはいけないんですよね。

そういうバランス感覚、例えばどこまでがシステムで許すべき部分なのか、ここは柔軟にあえて汎用的に使える形にしておくことで、現場で工夫してもらえる部分として残すか、みたいなところは、実際いろんな企業の話を聞いていく中で、プロダクトの仕組みと面白い部分だと考えています。

ー プロダクトとしてのチャレンジや技術的なチャレンジは、どういう領域になると考えていますか。
特定の要素技術に特化しているというよりは、情報のワークフローをAzitのプロダクトの中で統一する部分と、自由に組み合わせられる部分を組み合わせたシステム設計みたいなところが面白いんじゃないかなと思います。

このプロダクトは、業務フローを、決めてその通り使ってもらうわけではなく、もう一段上のレイヤーでの設計が必要になります。たとえば、ユーザーがどういうタイミングで何をするのかっていうのを決めることができるシステムを作るってなると、抽象度が上がるので、ここをどう破綻せずに作れるようなソフトウェアにするのかっていうのが、設計が難しいところの一つだと思います。その工程を作る仕組み作りの部分をも、うまくデジタル化するところがまた面白いかなと。

そういう部分って、今まではデータをどう表現するかを考えなければいけなかったと思うんですけど、今はAIがもっと柔軟にデータを差配したりとか判断できるようなコンポーネントとして間に入ってくる可能性はかなりあるなと思っているので。

左:十亀、右:山口

現場のニーズに共感し、取り組み続ける

ー 一個人として、エンジニアとしての興味はどこに向かっていますか?

そうですね。一個人としては、量子コンピュータの分野は長期で見て何らかの面白みがある技術が繋がっていくと思ってるので、そこは引き続きウォッチしていきたいと思っています。

あとはやっぱり、今、汎用AIと直接対話するというところが世の中に全部出てきてますけど、そこをソフトウェアの中に隠したり、ユーザーにとっての直接インターフェースじゃなくて、補助する形でパワーアップする形でAIをどう使っていくかっていうのは、プロダクトのデザインとして重要になっていくと思うので、Azitのプロダクトでもそうですし、世の中的にどうなっていくのかっていうのは興味はありますね。

ー やはりAIは、今までDXされきってなかった物流やSCM業界にも大きなインパクトを与えるんですね。
そうだと思います。現場で起きてることって、もちろん改善できる部分もあると思うんですけど、そういうオペレーションって何かしらの理由で行われていると思うので。それをシステムにするときに、今までだと論理で表現しづらいからこぼれちゃってた部分が、ようやく直接取り扱いすることができるかもしれないような、技術が追いついたのかなと思っています。

現場で起きてることを、人間が聞けば理解して判断したり、柔軟に対応できる部分っていうところに、今までシステムがそれを表現する方法がなかったら追いつけてなかったというのがあって。そこにAIが入って、別の処理を打つことができるようになると、より現場の良い部分、現場の工夫によって成り立ってきたオペレーションを、そのままシステムに組み込めるかもしれないですよね。

ー そのために、Azitとしてはどういう組織になると考えていますか。
プロダクトマネージャーやエンジニアのチームは大きくなっていくと思いますし、設計の部分全体は人間が引き続き見ていくんじゃないかなと思っています。AIがほとんど全てを作ってしまうというよりは、差配してもらいたいロジックやコンポーネントは人間が丁寧に作っていき、AIエージェントにどのタイミングでどういう形に入ってもらうか、どっちのコンポーネントにどういう情報フローを移行するかとかを決めてもらうみたいなワークフローを組むところも、やっぱり人間がやるところになるかな。と考えています。

具体的なコーディングはAIが支援してくれる部分が多くなってくると思います。シンプルなコードだけ書き続けたい、みたいな志向は減ってくるのだろうな、と思っていて。どうやってAzitのプロダクトが使われるのか、どういう価値があるのかという所を考える時間が長い人が、増えていくんじゃないかなとは思います。

ー そんな中で、Azitは、どんな人が向いてると思いますか?
そうですね。会社の社風っていうのもありますけど、結構コミュニケーション好きな人が多いと思って。このコミュニケーションというのは、決して何か楽しい冗談を喋ってほしいとか、なにかのテレビ見ましたみたいな話をしてほしいという話ではなくて。

プロダクトを良いものにするために、きちんと取るべきコミュニケーションを取れることなんですよね、そのためにはやっぱりその人間関係が円滑に回ってないといけないので。当たり前ですが、いつも嫌な感じの人とは、なかなか話しづらいじゃないですか。それでビジネスに支障が出る可能性もあるので、仕事をする上で必要な情報をお互い気楽にやり取りして、より良いものにするためのチーム作りができる人や、価値が作れる人っていうのは、重要だと考えています。

DeliveryXは、仕組み作りのプロジェクトなんですよね。なので、やっぱりクライアントの現場ではいろんなことやってるので、それに共感することも大切だと思っています。

実際に現場に行ったときも、例えば薬剤師の方が袋に詰める傍らで、Azitに発注してくれたりとかしてるので、そういうのを間近で見ると、やっぱりその中でどれだけ効率的に皆様に使っていただけるかっていうのは考えないといけない。

自宅でキーボードとマウスで作業してるだけっていうのは、ちょっと違うのかもしれないと思ってしまうんですよね。技術に特化するみたいな話だと、その人がもっと集中して、まとまった時間を1人で取りたいともちろんあるかと思って。ただ、Azitが目指すことを実現するために、ユーザーが現場でどういうニーズを抱えてるのかみたいなことに対してきちんと傾聴して、取り組んでいける人とご一緒できるといいなと思っています。

インタビュアー:COO 山口 恭平、編集:坂井 華子

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詳細は、以下の募集ページをご覧ください。
https://herp.careers/v1/azitinc/mFCv7shzKFSa

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