今回は、取締役CRO須藤のインタビューをお届けします。2024年9月にCCOからCROへと肩書を変えた須藤が目指す、Azitのあり方について深堀りました。
PROFILE
株式会社Azit 取締役CRO 須藤信一朗
東京理科大学理学部在学中に代表の吉兼と出会い、Azitを共同創業。卒業後は中部電力に就職。「CREW」の立ち上げから、再度Azitに参画。現在は大手からスタートアップまで幅広く知見のあるChief Relation Officerとして、セールス周りを始めとした社外リレーション全般を統括している。
左:山口 右:須藤
大切なのは課題解決するだけでなく、企業として信頼を得ること
ー 「CRO」というポジションは、主にどういったことを管轄しているのでしょうか?
社外リレーション全般を統括しています。セールスだけでなく、クライアントとの最初のコミュニケーションから、先方のキーマンとなるような方々と対話を重ねて、課題感やプロジェクトの進め方の大枠を決めていく所を担っていますね。
ー もともとは「CCO」(チーフカルチャーオフィサー)の肩書きでしたよね。
昨年9月のタイミングから今の肩書に変更しました。以前から社内カルチャーだけを見るというよりは、外に出ていく活動が多くなってきていて、より外寄りの役割のニュアンスを明確にするために、変更することにしました。
肩書については、CROだけでなく他のCxOも候補には出たのですが。「セールス」だけでもちょっと違うし「レベニュー」なんかも違うと思って。結局、リレーションが一番しっくりきたんですよね。能力特性上も含めて、言語化しにくい所ではあるのですが、AI時代のいわゆる論語と算盤でいうと、論語側というか…(笑)
エンタープライズ企業に対して、価値を届けるというのはもちろん大切なのですが、それだけでなく会社として信頼してもらえるような基盤と関係性をしっかり作っていくという部分を大切にしています。そういう意味で、会社としてのリレーションを構築するというのが僕の役割ですね。
ー 肩書きが変わったことで、変化したことはありますか?
役職で何かが決まるわけではもちろんないのですが、それでもCROという肩書きに変更してから、思っていた以上に深く課題感を伺えたり、プロジェクトを進める上での相談をいただくシーンが多くなりました。
関係値作りって、当然目に見えない部分が多いんですよね。例えば、オンラインで会議をしていても、先方の課題感をお伺いすることはできます。でも、それだけではなく、関係を深めるための様々な行動を取ることで、もっと深い課題を知ることができたり「実は一番の課題はそこじゃなくて、別の所が刺さっているな」とかが見えたりもするんですよね。そういったことを繰り返し、真の意味でリレーションを構築することが、次のサクセスに繋がっていくとも思っています。
このサービスが顧客の生活をどう変えるかを、描き切る
ー 事業開発とはどのように関わっているのでしょうか。
事業開発については、主に戦略の部分はほかの経営陣が役割としてやってくれています。僕は、その描いた事業の足元となる部分を0から1にどうやって持っていくかを担っています。
AzitはもともとCtoCビジネスを運営していた会社ということもあり「顧客にどういう価値を提供するのか」を大事にしている人が多いんですよね、僕自身もそうです。
現在の事業モデルになってからも、結局は「僕らの事業を通じて、顧客にどういう体験を提供できるか」を描き切ることが大切だと思っています。極端な例ですが、例えばクライアントが求めることだけをやって、使えるかどうか分からないようなシステムを作って売上を上げる、とかは絶対に僕らの仕事ではないと思っていて。DeliveryXを通じて真に必要な価値を提供すること、その最終的な価値まで描き切れるように落とし込んでいくというのが、大切だと思っています。
ー toBのビジネスおいても、結局は最後に使う顧客のことを考える、ということですね
はい。それが社会での仲間作りにも繋がると思っていて。自分の知らない所で生まれたよく知らないサービスよりも、自分の生活に対してどういう影響を与えてるかが明確になっている方が、仲間になりたいと思ってもらえると思うんですよね。組織のモメンタムも上がっていきますし。社内だけじゃなく、社外の人たちからも応援してもらえる要素になると思うので、とにかく最後に使ってくださる方のことを考え、描き切ることを徹底しています。
令和らしい寝技とテクノロジー
ー Azitとして、今後どのようなポイントに注力していきたいと考えていますか?
2025年、プロダクトにAIという要素をより深く取り入れていくことは必須になっています。特に、AIエージェントや音声AIをうまく活用したプロダクト作りができると、時代にかけ合わせた僕らのユニークさが出てくると思うんです。そういう要素がどんどん生まれると、唯一無二性が強まっていくんじゃないかなと思います。
ー AIを活用している企業は数多く存在していますが、AIエージェントをうまく活用できている企業はまだあまり見ないですよね。
そうですね、AIを活用するtoBの企業は多くありますが、まだまだAIエージェントを活用しきれてる企業はないと思っていて。
例えば、輸送においてなら、意思決定まで代替させて、目標値を定めるところから効率化の手段まで託したり。オンラインマシンラーニングみたいな話もあって。データ収集はこれまでずっとマシンラーニングしてきたけど、モデリングも含めて最適化をどんどん回していけるようなものがうまく作れるんだったら、まだ世の中で生み出せていないようなものができる余地はあるのかなと思います。
ビジネスの場で昔から「寝技」なんて言うことがありますが、テクノロジーの強みがあるからこそ初めて寝技が生きるのが今の時代だと思っていて。寝技だけで何かが進むわけではなく、だからってテクノロジーだけで進むわけでもない。令和という時代だからこそできること、僕らの強みに合わせて攻めていく方法として、AIエージェントを僕らの事業に絡めることができれば、寝技がより生きると思っていますし、それがユニークさにもなると考えています。
Azitがあるからこそ存在する世界線を、世の中に感じてもらいたい
ー Azitをどういう会社にしていきたいと考えていますか。
大前提として、売り上げを上げることと、社会的意義として世の中をより良くしていくことの両立は重要だと思っています。それを両方叶えるのは難易度が高いというのはもちろんなのですが。世の中に価値があるものばかりに囚われすぎるとボランティアのようになってしまうし、売り上げだけを考えたら別のことでも良くなってきてしまう気もするんですよね。
そして、それだけじゃなく、僕らがいてAzitがある世界線と、ない世界線で、世の中に対して変化を起こせないと、ハッピーじゃないんですよね。
世の中が僕らがいることによって変わった世界線というものを、顧客の方に感じてもらえることが、目指すところだと思うんです。その手前として、一緒に進めていく企業様の内側から変化が起こっても嬉しいですし。企業が変わることによって、顧客体験も変わりうる要素がたくさんありますから。僕らがご一緒させていただいているクライアント企業様が、僕らがあることによって変わっていき、そこから生まれる経済と社会的意義、そういう価値を両軸で作っていくことができればハッピーです。その車輪をよりどこまで大きくできるかという戦いになると思っています。
ー そのために、どんな組織になるべきだと思いますか?
今のメンバーを見ていてもそうなのですが、言われたものを言われたままに作るチームではなくて(笑)そのスタンスはより強く持っていたいですね。
言われたものをそのまま作るのではなく「こうするとより世の中に価値がある」ということを言い返すこともあるし、そのための提案まできたり。
ー いい意味で御用聞きではないんですね。
言われたものをそのまま作るのがもちろん楽なのですが、そうではなく価値を考え、そう思った背景から説明責任を果たし、より良い方向を提案して真の価値を提供していく。このスタンスは、Azitらしいし、貫きたいなと思っています。
受託だけで終わらない、コミットして価値を提供していくスタンスが良いと思っているんですよね。細部までこだわり抜くというのは、普通のことであり難しいことですから。
コンサルティング会社のように戦略を描き、システム会社として作る部分もやる、配送網の提供会社としての役割も担う。僕たちはそういったことを三位一体で勝負しているので、例えば「配送費用をここまで下げたい」「ここまで効率化したい」という要望に対して、全部コミットして勝負できます。それが僕たちの強みだし、おもしろさでもあるかな、と思っています。
皆が自分ごととして進めていく姿勢がすごくいいなと思っていて。それがカルチャーとしてしっかり根付いていくと強い組織になるんじゃないかなと思っています。
インタビュアー:COO 山口 恭平、編集:坂井 華子
採用情報
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